
次、弁理士試験 短答 過去問 令和7年度【特許/実案】19です
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弁理士試験 短答 過去問 令和7年度【特許/実案】19
【特許・実用新案】19
次の文章の空欄に、下記の【語群】から選択される適切な語句を入れると、特許法第131条の2(審判請求書の補正)に関する記述となる。このうち①~④の空欄に入る語句の組み合わせとして最も適切なものは、どれか。
なお、空欄には、同じ語句を2回以上入れてもよい。同じ番号の空欄には同じ語句が入る。
平成10年の一部改正以前の特許無効審判では、他の審判と同様、審判請求の理由を変更し、新たな無効理由及び証拠を追加することが認められていた。そのため、当初の請求書に記載した理由以外に新たな理由が遅れて発見された場合、請求人が無効理由・証拠の追加を ① 行うことも多く、審理の遅延の原因となっていた。
このような弊害を改善するため、平成10年の一部改正において、特許無効審判請求書の請求の理由については、その ② する補正は認めないものとすることにした。その結果、審判請求時に十分な準備をし、すべての無効理由を提出しようとするインセンティブが審判請求人に働くようになり、 □が図られた。
他方で、その ② するような主張をするためには、別途の無効審判を請求することが必要となり、平成10年の一部改正以降、同一特許について同一人が異なる無効理由を挙げて複数の無効審判を繰り返し請求する事例が増加することとなった。
また、審判請求人が、審判官に対して ③ の対象とすることを期待して上申書により新たな無効理由や証拠が提出されるという実務も生まれ、□ や □等の問題が指摘された。
特許法第131条の2は、このような問題点を解決するため、平成15年の一部改正において、特許無効審判における審判請求書の請求の理由の補正について、例外的に ② する補正を容認する規定を導入するにあたり新設されたものである。当該規定は、平成10年改正事項である特許無効審判の請求の理由の補正について、 ② する補正を制限することを基本としつつ、審判請求時にその無効理由を提出できなかったことに ④ が認められる場合には、一定の要件の下に新たな無効理由を追加することを容認することで、 □の要請と □の要請とを調整するものである。
【語群】
職権探知 所定期間内 当事者の不満 無期限・無制限に
職権進行 合理的理由 手続の透明性 審判長の許可なく
不責事由 審理の充実 手続の煩雑さ 事件の迅速な解決
理由を追加 一回的解決 審理の不平等 事件間の公平性
要旨を変更 手続の簡素化 審理期間の大幅な短縮 審理負担の大幅な軽減① ② ③ ④
1 無期限・無制限に 理由を追加 職権探知 合理的理由
2 審判長の許可なく 要旨を変更 職権探知 不責事由
3 審判長の許可なく 理由を追加 職権進行 不責事由
4 無期限・無制限に 要旨を変更 職権探知 合理的理由
5 無期限・無制限に 要旨を変更 職権進行 不責事由

こんな出題形式初めてみたね!

私も。初めて。
空欄を埋めるタイプの設問みたいだね。

①から解いて行けばいいよね?

そうですね。
オーソドックスですがそれがベストかと。
空欄①
平成10年の一部改正以前の特許無効審判では、他の審判と同様、審判請求の理由を変更し、新たな無効理由及び証拠を追加することが認められていた。そのため、当初の請求書に記載した理由以外に新たな理由が遅れて発見された場合、請求人が無効理由・証拠の追加を ① 行うことも多く、審理の遅延の原因となっていた。

①の選択肢は、「無期限・無制限に」 OR 「審判長の許可なく」だね

文章読む限り、「無期限・無制限に」ぽいですよね。
遅延の原因と書いているので。

文章問題でビックリしたけど、読めば解けそうだね。

とりあえず出題の条文を確認してみましょう!
(審判請求書の補正)
第131条の2 前条第1項の規定により提出した請求書の補正は、その要旨を変更するものであつてはならない。ただし、当該補正が次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 特許無効審判以外の審判を請求する場合における前条第1項第3号に掲げる請求の理由についてされるとき。
二 次項の規定による審判長の許可があつたものであるとき。
三 第133条第1項(第120条の5第9項及び第134条の2第9項において準用する場合を含む。)の規定により、当該請求書について補正をすべきことを命じられた場合において、当該命じられた事項についてされるとき。
2 審判長は、特許無効審判を請求する場合における前条第1項第3号に掲げる請求の理由の補正がその要旨を変更するものである場合において、当該補正が審理を不当に遅延させるおそれがないことが明らかなものであり、かつ、次の各号のいずれかに該当する事由があると認めるときは、決定をもつて、当該補正を許可することができる。
一 当該特許無効審判において第134条の2第1項の訂正の請求があり、その訂正の請求により請求の理由を補正する必要が生じたこと。
二 前号に掲げるもののほか当該補正に係る請求の理由を審判請求時の請求書に記載しなかつたことにつき合理的な理由があり、被請求人が当該補正に同意したこと。
3 前項の補正の許可は、その補正に係る手続補正書が第134条第1項の規定による請求書の副本の送達の前に提出されたときは、これをすることができない。
4 第2項の決定又はその不作為に対しては、不服を申し立てることができない。

読みにくいよね・・・

ざっくりとは、第131条の2第1項の方は
審判請求書の補正は、要旨変更がダメなのですが、1号により無効審判以外では、請求の理由についてはその厳しい制限を外す
ということになります。

ということは?設問の答えは??

平成10年改正前は、無効理由・証拠の追加を無期限・無制限に行うことが多く、これが審理遅延の原因でした。そこで平成10年改正では、請求理由について要旨を変更する補正を認めないことにして、審理期間の短縮を図りました。
なので、「無期限・無制限に」となります
空欄②
このような弊害を改善するため、平成10年の一部改正において、特許無効審判請求書の請求の理由については、その ② する補正は認めないものとすることにした。その結果、審判請求時に十分な準備をし、すべての無効理由を提出しようとするインセンティブが審判請求人に働くようになり、 □が図られた。
他方で、その ② するような主張をするためには、別途の無効審判を請求することが必要となり、平成10年の一部改正以降、同一特許について同一人が異なる無効理由を挙げて複数の無効審判を繰り返し請求する事例が増加することとなった。

②は、「理由を追加」か「要旨を変更」かだね

さっきついでに説明してしまいましたね・・・

「要旨を変更」だね

そうそう。
請求理由について要旨を変更する補正を認めないことにして、審理期間の短縮をはかったんだね!!

②のあとの空欄は「審理期間の大幅な短縮」だね?

そうですね!
あと出しじゃんけんは禁止されたんだね!!
空欄③
また、審判請求人が、審判官に対して ③ の対象とすることを期待して上申書により新たな無効理由や証拠が提出されるという実務も生まれ、□ や □等の問題が指摘された。

③は、「職権探知」か「職権進行」だね

「職権探知」と「職権進行」は分かりますか?

職権進行=手続をどう進めるかを、審判官が主導すること
職権探知=必要な事実や証拠を、審判官が自分で調べられること
かな・・・?

そうですね。
職権探知とは、当事者等が申し立てない理由について自由に審理できることだったよね!

ということは、答えは「職権探知」だね。

はい、そうなりますね。
その後の空欄は、
「当事者の不満」や「手続の透明性」だね
空欄④
特許法第131条の2は、このような問題点を解決するため、平成15年の一部改正において、特許無効審判における審判請求書の請求の理由の補正について、例外的に ② する補正を容認する規定を導入するにあたり新設されたものである。当該規定は、平成10年改正事項である特許無効審判の請求の理由の補正について、 ② する補正を制限することを基本としつつ、審判請求時にその無効理由を提出できなかったことに ④ が認められる場合には、一定の要件の下に新たな無効理由を追加することを容認することで、 □の要請と □の要請とを調整するものである。

④は、「合理的理由」か「不責事由」だね

「合理的理由」だね。

その後の空欄は?

事件の迅速な解決 と 一回的解決だね!
まとめ
- ① 無期限・無制限に
② 要旨を変更
③ 職権探知
④ 合理的理由 - 答え 4
- 流れは、ざっくりと理解していた方がよいので、まとめ
- 平成10年改正前は、無効理由・証拠の追加を無期限・無制限に行うことが多く、これが審理遅延の原因でした。そこで平成10年改正では、請求理由について要旨を変更する補正を認めないことにして、審理期間の短縮を図りました。さらに、その後の実務では、審判官に職権探知してもらうことを期待して上申書で新たな無効理由や証拠を出す運用が生じ、これに対応するため平成15年改正で、請求時に出せなかったことに合理的理由がある場合などに限って例外的に要旨変更を認める仕組みが導入されました。

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