
次、弁理士試験 短答 過去問 令和7年度【特許/実案】16です
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弁理士試験 短答 過去問 令和7年度【特許/実案】16
【特許・実用新案】16
特許法又は実用新案法に規定する手続の補正、手続の却下に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、正しいものの組合せは、どれか。
ただし、以下において、「最初の拒絶理由通知」とは、特許法第17条の2第1項第1号に規定する「最初に受けた」拒絶理由の通知をいい、「最後の拒絶理由通知」とは、同項第3号に規定する「最後に受けた」拒絶理由の通知をいうものとする。
(イ) 外国語書面出願の出願人は、最初の拒絶理由通知において指定された期間内に外国語書面について補正をすることができる場合がある。
(ロ) 最初の拒絶理由通知を受ける前の特許請求の範囲について補正をするときは、補正前の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明と、補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、特許法第37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとなるようにしなければならない。
(ハ) 特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件(いわゆる明確性要件)を満たしていない旨の最後の拒絶理由通知を受けた後、当該通知において指定された期間内に、当該通知に係る拒絶の理由に示す事項について、明りょうでない記載の釈明のみを目的として特許請求の範囲について補正がされた。この場合、その補正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでないときは、当該補正は却下される。
(ニ) パリ条約の同盟国Xへの特許出願Aに基づいて優先権を主張するために提出した特許法第43条第1項に規定する書面について補正をすることによって、当該優先権の主張に加えて、パリ条約の同盟国Xへの別の特許出願Bに基づく優先権の主張を追加することはできない。
(ホ) 実用新案登録出願に関する手続をした者は、経済産業省令で定める期間を経過した後であっても、願書に添付した実用新案登録請求の範囲について補正をすることができる場合がある。
1 (イ)と(ロ)
2 (イ)と(ホ)
3 (ロ)と(ハ)
4 (ハ)と(ニ)
5 (ニ)と(ホ)
枝イ
(イ) 外国語書面出願の出願人は、最初の拒絶理由通知において指定された期間内に外国語書面について補正をすることができる場合がある。

できる場合がある・・・とくると○にしたくなっちゃう・・・

その気持ち分かります・・・が、この設問は×です。
条文を確認してみましょう!
(手続の補正)
第17条
2 第36条の2第2項の外国語書面出願の出願人は、前項本文の規定にかかわらず、同条第1項の外国語書面及び外国語要約書面について補正をすることができない。

なんか例外があるのかなあって思ったんだけど。

その気持ちは分かります・・・・が、外国語書面(外国語の明細書など)について補正をすることはできません!(17条2項)
最初の拒絶理由通知で期間が指定されようが、そこは変わりません。

そっか

外国語書面出願では、その後に提出される翻訳文(=日本語の方)については、補正できる場合はあります。
それとのひっかけを狙っているのでしょう!
ということで、答え×です。
枝ロ
(ロ) 最初の拒絶理由通知を受ける前の特許請求の範囲について補正をするときは、補正前の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明と、補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、特許法第37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとなるようにしなければならない。

シフト補正のことだよね?
シフト補正は、最初の拒絶理由受けた後からNGだったよね??

はい、そうです。
条文を確認してみましょう!
(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)
第17条の2
4 前項に規定するもののほか、第1項各号に掲げる場合において特許請求の範囲について補正をするときは、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、その補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、第37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとなるようにしなければならない。

17条の2第4項では、「第1項各号に掲げる場合において」=これらは拒絶理由通知を受けた後のことなのですが、その場合はシフト補正はNGと規定しています。

そうだったよね!

つまり、拒絶理由通知を受ける前の補正については、この条文は特に何も規定していないので、この設問の答えは×となります。
枝ハ
(ハ) 特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件(いわゆる明確性要件)を満たしていない旨の最後の拒絶理由通知を受けた後、当該通知において指定された期間内に、当該通知に係る拒絶の理由に示す事項について、明りょうでない記載の釈明のみを目的として特許請求の範囲について補正がされた。この場合、その補正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでないときは、当該補正は却下される。

明瞭でない記載の釈明の時って、確か独立特許要件は関係なかったよね??

はい、その通りです。
独立特許要件が判断されるのは、2号の「限定的減縮」の時でしたよね。
条文を確認してみましょう
(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)
第17条の2 5 前二項に規定するもののほか、第1項第1号、第3号及び第4号に掲げる場合(同項第1号に掲げる場合にあつては、拒絶理由通知と併せて第50条の2の規定による通知を受けた場合に限る。)において特許請求の範囲についてする補正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
一 第36条第5項に規定する請求項の削除
二 特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)
三 誤記の訂正
四 明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)

明瞭でない記載の釈明については、独立特許要件は課されないため、答え×です。
枝ニ
(ニ) パリ条約の同盟国Xへの特許出願Aに基づいて優先権を主張するために提出した特許法第43条第1項に規定する書面について補正をすることによって、当該優先権の主張に加えて、パリ条約の同盟国Xへの別の特許出願Bに基づく優先権の主張を追加することはできない。

優先権主張について補正できるって規定なかったっけ?

はい、こちらですよね・・・
(優先権主張書面の補正)
第17条の4 第41条第1項又は第43条第1項、第43条の2第1項(第43条の3第3項において準用する場合を含む。)若しくは第43条の3第1項若しくは第2項の規定による優先権の主張をした者は、経済産業省令で定める期間内に限り、第41条第4項又は第43条第1項(第43条の2第2項(第43条の3第3項において準用する場合を含む。)及び第43条の3第3項において準用する場合を含む。)に規定する書面について補正をすることができる。

そうそう、これ。
なので、補正できるんじゃないの?

ややこしいのですが・・・・
この規定でOKといっている補正は、あくまでも「誤記の訂正」等の形式的な補正なのです。
この設問のように「別出願を優先権に追加する」みたいな実体的な補正はNGなのです。

ええ!?
そうなんだ・・・

ちょっと参考になりそうな記載が特許庁HPにあったので抜粋します↓
〈優先権主張の補正について〉
平成26年の法改正により、優先権の主張をした者は、国内優先権の主張及びパリ条約による優先権等の主張についての特許願の記載、及び「優先権主張書」について補正できる期間が設けられましたが(特許法第17条の4 )、優先権主張の補正とは、既に主張した優先権主張の記載の誤記を訂正することであるから、新たな優先権主張を追加する場合は、優先権主張書(特許法第41条第4項又は第43条第1項)で、国内優先権を取下げ(特許法第42条第2項)るときは 「先の出願に基づく優先権主張取下書」で行います

ということで、この設問の答えは○です。
枝ホ
(ホ) 実用新案登録出願に関する手続をした者は、経済産業省令で定める期間を経過した後であっても、願書に添付した実用新案登録請求の範囲について補正をすることができる場合がある。

たしか補正できる場合はあったよね?

はい、あります。
条文で確認してみましょう!
(手続の補正)
第2条の2 実用新案登録出願、請求その他実用新案登録に関する手続(以下単に「手続」という。)をした者は、事件が特許庁に係属している場合に限り、その補正をすることができる。ただし、経済産業省令で定める期間を経過した後は、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲、図面若しくは要約書又は第8条第4項若しくは第11条第1項において準用する特許法(昭和34年法律第121号)第43条第1項(第11条第1項において準用する同法第43条の2第2項(第11条第1項において準用する同法第43条の3第3項において準用する場合を含む。)及び第43条の3第3項において準用する場合を含む。)に規定する書面について補正をすることができない。
4 特許庁長官は、次に掲げる場合は、相当の期間を指定して、手続の補正をすべきことを命ずることができる。
一 手続が第2条の5第2項において準用する特許法第7条第1項から第3項まで又は第9条の規定に違反しているとき。
二 手続がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。
三 手続について第32条第1項の規定により納付すべき登録料を納付しないとき。
四 手続について第54条第1項又は第2項の規定により納付すべき手数料を納付しないとき。
補正命令)
第6条の2 特許庁長官は、実用新案登録出願が次の各号の一に該当するときは、相当の期間を指定して、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面について補正をすべきことを命ずることができる。
一 その実用新案登録出願に係る考案が物品の形状、構造又は組合せに係るものでないとき。
二 その実用新案登録出願に係る考案が第4条の規定により実用新案登録をすることができないものであるとき。
三 その実用新案登録出願が第5条第6項第4号又は前条に規定する要件を満たしていないとき。
四 その実用新案登録出願の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは図面に必要な事項が記載されておらず、又はその記載が著しく不明確であるとき。

まず原則は、「経済産業省令で定める期間を経過した後は、願書に添付した明細書等は補正をすることができない」です!!!(実案2条の2第1項但し書き)

なるほど!

しかし例外があって、経済産業省令で定める期間を経過した後であっても
実案2条の2第4項・・・方式・手数料・登録料などの不備
実案6条の2・・・考案の内容や請求の範囲等の基礎的要件の不備
は補正可能なのです!

そっか

はい。
なので答え○となります
まとめ
- 枝イ ×
- 枝ロ ×
- 枝ハ ×
- 枝ニ ○
- 枝ホ ○
- なので、答え5となります

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