
次、弁理士試験 短答 過去問 令和7年度【特許/実案】15です
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弁理士試験 短答 過去問 令和7年度【特許/実案】15
【特許・実用新案】15
特許法及び実用新案法に規定する特許料、手数料及び罰則に関し、次のうち、誤っているものは、いくつあるか。
(イ) 実用新案登録出願人又は実用新案権者以外の者が実用新案技術評価の請求をした後に、その請求に係る実用新案登録に基づいて特許法第 46 条の2第1項の規定による特許出願がされたことにより、その請求がされなかったものとみなされたときは、請求人により納付された実用新案技術評価の請求の手数料は、当該請求人の請求がなくても返還される。
(ロ) 既納の特許料のうち、特許権を放棄した年の翌年以後の各年分の特許料は、納付した者の請求により返還されることがある。
(ハ) 特許権又は専用実施権を侵害した者に対する懲役刑及び罰金額の上限は、特許法第101 条の規定により特許権又は専用実施権を侵害する行為とみなされる行為を行った者に対する懲役刑及び罰金額の上限と同じである。
(ニ) 利害関係人その他の特許料を納付すべき者以外の者は、納付すべき者の意に反しても、特許料を納付することができる。
(ホ) 特許庁長官に対し、特許権の設定の登録がされた特許出願の審査に係る書類の閲覧を請求する際は、手数料の納付を要しない。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
枝イ
(イ) 実用新案登録出願人又は実用新案権者以外の者が実用新案技術評価の請求をした後に、その請求に係る実用新案登録に基づいて特許法第 46 条の2第1項の規定による特許出願がされたことにより、その請求がされなかったものとみなされたときは、請求人により納付された実用新案技術評価の請求の手数料は、当該請求人の請求がなくても返還される。

第3者が技術評者を請求するんだよね?
じゃあ、出願人・権利者側は分かりようがないし、請求なしで返還されそう・・・

良いところに目を付けていますね。
実用新案は実体面が無審査登録なので、有効性の目安を示す制度として 実用新案技術評価(第12条)があるんでしたよね。
これは、「何人」でも請求可能で(実案12条1項)、「取下げは不可」(実案12条6項)でしたね。
(実用新案技術評価の請求)
第12条 実用新案登録出願又は実用新案登録については、何人も、特許庁長官に、その実用新案登録出願に係る考案又は登録実用新案に関する技術的な評価であつて、第3条第1項第3号及び第2項(同号に掲げる考案に係るものに限る。)、第3条の2並びに第7条第1項から第3項まで及び第6項の規定に係るもの(以下「実用新案技術評価」という。)を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係る実用新案登録出願又は実用新案登録については、請求項ごとに請求することができる。
6 第1項の規定による請求は、取り下げることができない。

そして、第三者請求の場合、変更出願がされると「請求はなかったものとみなす」↓という規定があるのです(実案12条7項)
(実用新案技術評価の請求)
第12条
7 実用新案登録出願人又は実用新案権者でない者から第1項の規定による請求があつた後に、その請求に係る実用新案登録(実用新案登録出願について同項の規定による請求があつた場合におけるその実用新案登録出願に係る実用新案登録を含む。)に基づいて特許法第46条の2第1項の規定による特許出願がされたときは、その請求は、されなかつたものとみなす。この場合において、特許庁長官は、その旨を請求人に通知しなければならない。
(手数料の返還)
第54条の2 実用新案技術評価の請求があつた後に第12条第7項の規定によりその請求がされなかつたものとみなされたときは、その請求人が前条第2項の規定により納付した実用新案技術評価の請求の手数料は、その者に返還する。

そして、その場合は、手数料は「その者に返還」という制度になっているのです(実案54条の2)。

なるほど。
請求はいらないんだね!
自動的に返還されるってことだよね

はい。
技術評価請求は取り下げ不可(12条6項)
→でも変更出願で「なかったこと」にされる
→第三者の責任ではない
→だから自動返還、ということです。

答えは○だね

はい
枝ロ
(ロ) 既納の特許料のうち、特許権を放棄した年の翌年以後の各年分の特許料は、納付した者の請求により返還されることがある。

放棄のときに返還されるかってことだよね。
放棄した年の翌年以後って書いているし、返還されてもおかしくないよね・・・

これは、実は返還されません・・・
条文で確認してみましょう
(既納の特許料の返還)
第111条 既納の特許料は、次に掲げるものに限り、納付した者の請求により返還する。
一 過誤納の特許料
二 第114条第2項の取消決定又は特許を無効にすべき旨の審決が確定した年の翌年以後の各年分の特許料
三 特許権の存続期間の延長登録を無効にすべき旨の審決が確定した年の翌年以後の各年分の特許料(当該延長登録がないとした場合における存続期間の満了の日の属する年の翌年以後のものに限る。)

第111条(既納の特許料の返還)の条文があるのですが、
ざっくりとは「すでに払った特許料は、原則として返ってこない。ただし、以下の3つの場合だけ返る」ということが書かれています。
過誤納の特許料(1号)
無効・取消が確定した場合(2号)(返るのは 確定した年の翌年以後の分だけ)
延長登録が無効になった場合(3号)(延長がなかったとしたら、もう存続期間が終わっている年の「翌年以後」の分だけ返る)

そしたら、権利放棄のときはお金返ってこないんだね・・・

はい、残念ながら。
なので、こたえ×となります
枝ハ
(ハ) 特許権又は専用実施権を侵害した者に対する懲役刑及び罰金額の上限は、特許法第101 条の規定により特許権又は専用実施権を侵害する行為とみなされる行為を行った者に対する懲役刑及び罰金額の上限と同じである。

直接侵害と間接侵害の上限が同じってことないよね?多分・・・
直接侵害の方が重たそうだよね・・・普通に考えて。

はい、素晴らしい直感です。
条文で確認してみましょう!
(侵害の罪)
第196条 特許権又は専用実施権を侵害した者(第101条の規定により特許権又は専用実施権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)は、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第196条の2 第101条の規定により特許権又は専用実施権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

直接侵害(第196条)の場合、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金
間接侵害(第196条の2)の場合、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金
となっていますよね。

直接侵害の方が高いんだね。
当然だよね!

はい。
従って、設問の「上限と同じである。」が×となります。
上限は明らかに直接侵害の方が高いので。
枝ニ
(ニ) 利害関係人その他の特許料を納付すべき者以外の者は、納付すべき者の意に反しても、特許料を納付することができる。

これ条文通りじゃない?
○だよね!

はい。
これは条文通りとなります!
条文を確認してみましょう!
(特許料を納付すべき者以外の者による特許料の納付)
第110条 利害関係人その他の特許料を納付すべき者以外の者は、納付すべき者の意に反しても、特許料を納付することができる。

設問は条文通りでしたね。
権利者が払わなくても、第三者が特許料金を納付できる制度です。
例えば、専用実施権者等がいたとしたら、特許が消滅したら困りますよね?なので、第三者にも支払い権限を与えています。
そのため、答え○です。
枝ホ
(ホ) 特許庁長官に対し、特許権の設定の登録がされた特許出願の審査に係る書類の閲覧を請求する際は、手数料の納付を要しない。

「特許権の設定の登録がされた特許出願」というのがひっかけっぽいよね・・・

未公開ではなく、既に公開済みですよという意図かと。
条文を確認してみましょう
(手数料)
第195条 次に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
一 第4条、第5条第1項若しくは第108条第3項の規定による期間の延長又は第5条第2項の規定による期日の変更を請求する者
二 特許証の再交付を請求する者
三 第34条第4項の規定により承継の届出をする者
四 第186条第1項の規定により証明を請求する者
五 第186条第1項の規定により書類の謄本又は抄本の交付を請求する者
六 第186条第1項の規定により書類の閲覧又は謄写を請求する者
七 第186条第1項の規定により特許原簿のうち磁気テープをもつて調製した部分に記録されている事項を記載した書類の交付を請求する者
(証明等の請求)
第186条 何人も、特許庁長官に対し、特許に関し、証明、書類の謄本若しくは抄本の交付、書類の閲覧若しくは謄写又は特許原簿のうち磁気テープをもつて調製した部分に記録されている事項を記載した書類の交付を請求することができる。ただし、次に掲げる書類については、特許庁長官が秘密を保持する必要があると認めるときは、この限りでない。
一 願書、願書に添付した明細書、特許請求の範囲、図面若しくは要約書若しくは外国語書面若しくは外国語要約書面若しくは特許出願の審査に係る書類(特許権の設定の登録又は出願公開がされたものを除く。)又は第67条の5第2項の資料
二 判定に係る書類であつて、当事者から当該当事者の保有する営業秘密が記載された旨の申出があつたもの
三 拒絶査定不服審判に係る書類(当該事件に係る特許出願について特許権の設定の登録又は出願公開がされたものを除く。)
四 特許無効審判若しくは延長登録無効審判又はこれらの審判の確定審決に対する再審に係る書類であつて、当事者又は参加人から当該当事者又は参加人の保有する営業秘密が記載された旨の申出があつたもの
五 個人の名誉又は生活の平穏を害するおそれがあるもの
六 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるもの

第195条第1項第6号を見てください。
六 第186条第1項の規定により書類の閲覧又は謄写を請求する者
「実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない」と明記されています。
つまり、手数料は必要です。

ということは、設問×だね。
手数料の納付を要しないと記載されているから。

はい。
答え×です。
何人も閲覧請求できるけど、手数料については納付必要ということになります(第186条1項、第195条第1項第6号)
まとめ
- 枝イ ○
- 枝ロ ×
- 枝ハ ×
- 枝二 ○
- 枝ホ ×
- 答え 誤っている個数3つ→3

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