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弁理士試験 短答 過去問 令和7年度【特許/実案】17
【特許・実用新案】17
特許出願についての拒絶査定不服審判又は特許法第162条に規定する審査(以下「前置審査」という。)に関し、次のうち、誤っているものは、いくつあるか。
(イ) 拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定の謄本の送達があった日から3月以内に拒絶査定不服審判を請求することができないことにつき、その責めに帰することができない理由がなくとも、その査定の謄本の送達があった日から3月経過後に拒絶査定不服審判を請求することができる場合がある。
(ロ) 期限を徒過した不適法な審判の請求は、その補正をすることができないものであるから、決定をもってこれを却下することができる。
(ハ) 審判の請求前にした補正が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内にないと前置審査において認められたときは、審査官は、決定をもってその補正を却下しなければならない。
(ニ) 特許出願Aの一部が新たな特許出願B(いわゆる分割出願)とされた後、特許出願Aについて拒絶査定不服審判が請求されたとき、特許出願Bの出願人からの申立てがなければ、当該審判の審決が確定するまで特許出願Bの審査が中止されることはない。
(ホ) 拒絶査定不服審判において査定の理由と異なる拒絶の理由が発見されたときは、特許庁長官から拒絶の理由が通知される場合がある。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
枝イ
(イ) 拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定の謄本の送達があった日から3月以内に拒絶査定不服審判を請求することができないことにつき、その責めに帰することができない理由がなくとも、その査定の謄本の送達があった日から3月経過後に拒絶査定不服審判を請求することができる場合がある。

たしか在外者の場合とかは延長されたよね?
なので○なのでは?

これのことですね!
《審判請求期間の延長(四法共通)》
Q1-3:審判請求期間を延長することはできますか。
A1-3:延長請求は認められません。ただし、特許の拒絶査定不服審判(特許権の存続期間の延長登録出願に係る拒絶査定不服審判は除く。)の請求期間については、出願人が在外者であるときは、職権により「1月」の期間延長をしますので、拒絶査定謄本送達日から「4月」が審判請求期間となります(審判便覧25-04の2.(2)ア)。職権による延長ですので、期間延長請求書等の提出は不要です。

在外者の時は職権で1ヶ月追加してくれるんだったよね。
もっと一般的に条文で確認してみると・・・
(期間の延長等)
第4条 特許庁長官は、遠隔又は交通不便の地にある者のため、請求により又は職権で、第46条の2第1項第3号、第108条第1項、第121条第1項又は第173条第1項に規定する期間を延長することができる。

責めに帰することができない理由がなくとも、遠隔又は交通不便の地にある者であれば、4条延長は可能だよね!
ですので、答え○です。
枝ロ
(ロ) 期限を徒過した不適法な審判の請求は、その補正をすることができないものであるから、決定をもってこれを却下することができる。

補正ができるかできないかで手続きが違うってやつだよね。
いつもややこしくって・・・

はい、そこの箇所からです。
審判の最初の入り口のところなのですが、
・133条の方式審理・・・手数料の納付など、手続き上の不備。補正は可
・135条の適法性審理・・・審判請求に関し、補正できないほど重大な不備

なるほど。
補正できないほど重大な不備ってどんな?

審判便覧に出てくるので、ソレを引用します。
45―19 P U D T
審決による却下
審判請求が、以下に掲げる事由に該当するときは、補正を命じることなく、不適法な請求として審決をもって却下(審決却下)される(特§135、実§41、意§52、商§56)。
(1) 審判請求期間外の請求(→45―20)
(2) 共同出願人の一部の者がした請求(→45―20、22―03)
(3) 共有者の一部の者を被請求人とした請求(→45―20)
(4) 特許権者でない者を被請求人とした請求(→45―20)
(5) 対象物のない請求
(6) 在外者が特許管理人によらないでした請求
(7) 除斥期間を経過した後の請求
(8) 商標権の不使用による取消しの審判において、商標権の設定の登録の日から3年以上経過していないものに対しての請求
(9) 一つの特許出願に対して重複してした拒絶査定不服審判請求(取下げ等により審判に係属しなくなった請求を除く)のうち最初のもの以外の請求
(改訂H27.2)

色々あるんだね。
請求期間経過後とかが重大な不備なんだね!
たしかに補正できないしね!
じゃあ、この設問は○?

いや、よく見て欲しいのですが、「審決」却下なのです。
「決定」却下ではなく。
条文も見てみましょう
(不適法な審判請求の審決による却下)
第135条 不適法な審判の請求であつて、その補正をすることができないものについては、被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、審決をもつてこれを却下することができる。

審判官の合議体がするものなので、「審決」却下となります。
設問では、「決定」却下といっているので、答え×です。
枝ハ
(ハ) 審判の請求前にした補正が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内にないと前置審査において認められたときは、審査官は、決定をもってその補正を却下しなければならない。

審判請求前だよね?
前だったら、補正却下にならないのではなかったっけ?

はい。
審判請求前にした補正は、前置審査で補正却下の対象にはなりません!
条文で確認してみましょう。
第163条 第48条、第53条及び第54条の規定は、前条の規定による審査に準用する。この場合において、第53条第1項中「第17条の2第1項第1号又は第3号」とあるのは「第17条の2第1項第1号、第3号又は第4号」と、「補正が」とあるのは「補正(同項第1号又は第3号に掲げる場合にあつては、拒絶査定不服審判の請求前にしたものを除く。)が」と読み替えるものとする。
(補正の却下)
第53条 第17条の2第1項第1号又は第3号に掲げる場合(同項第1号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて第50条の2の規定による通知をした場合に限る。)において、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面についてした補正が第17条の2第3項から第6項までの規定に違反しているものと特許をすべき旨の査定の謄本の送達前に認められたときは、審査官は、決定をもつてその補正を却下しなければならない。

条文で「拒絶査定不服審判の請求前にしたものを除く」と記載されているね。

はい。
163条の読み替えで、17条の2第1項1号又は3号の補正については「拒絶査定不服審判の請求前にしたものを除く」とされているので、答え×となります。
枝ニ
(ニ) 特許出願Aの一部が新たな特許出願B(いわゆる分割出願)とされた後、特許出願Aについて拒絶査定不服審判が請求されたとき、特許出願Bの出願人からの申立てがなければ、当該審判の審決が確定するまで特許出願Bの審査が中止されることはない。

これ、最近「審査中止の運用」で入ってきたやつだったよね?
だから○なのでは?

以下↓の特許庁のサイトが分かりやすいですね。
結構最近、令和5年4月~のようです。
でも・・・実は答え×なのです!
原出願が審判係属中の分割出願に対する審査中止の運用について
令和6年4月
調整課分割出願のうち、原出願の拒絶査定後、拒絶査定不服審判請求にあわせて出願されたものについては、原出願の前置審査又は審判の結果を踏まえて当該分割出願の審査をする方が便宜である場合があります。また、出願人にとって、原出願の拒絶査定不服審判の結果を踏まえて分割出願の対応を検討できることは、より効率的かつ効果的な出願戦略の構築につながると期待されます。
そこで、原出願が前置審査又は拒絶査定不服審判係属中であって、一定の要件を満たす分割出願について、出願人から申請があったときは当該分割出願の審査を中止します。

え?なんで??

これは「出願人から申請があった案件について、この運用で審査中止する」という話だからです。
申請があった場合の運用を説明しているだけで、申請がなければ絶対に中止されないとまでは書いていません。
関連する条文を確認してみましょう
(訴訟との関係)
第54条 審査において必要があると認めるときは、特許異議の申立てについての決定若しくは審決が確定し、又は訴訟手続が完結するまでその手続を中止することができる。
2 訴えの提起又は仮差押命令若しくは仮処分命令の申立てがあつた場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、査定が確定するまでその訴訟手続を中止することができる。

特許法54条1項は「審査において必要があると認めるときは…その手続を中止することができる」という裁量規定です。
つまり、申立てがない場合でも、54条1項により必要があると認められれば中止される余地はあるということになります。
そのため、答え×となります
枝ホ
(ホ) 拒絶査定不服審判において査定の理由と異なる拒絶の理由が発見されたときは、特許庁長官から拒絶の理由が通知される場合がある。

実務でも拒絶査定不服審判で拒絶理由が通知される事ってあるよね?
なので○なのでは??

気持ちは分かりますが、×となります。
新たな拒絶理由通知があり得る → ここは正しい
それを特許庁長官が通知する → ここが誤り
となります・・・

そうなんだ!

条文で確認してみましょう。
第159条
2 第50条及び第50条の2の規定は、拒絶査定不服審判において査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合に準用する。この場合において、第50条ただし書中「第17条の2第1項第1号又は第3号に掲げる場合(同項第1号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)」とあるのは、「第17条の2第1項第1号(拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限るものとし、拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く。)、第3号(拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く。)又は第4号に掲げる場合」と読み替えるものとする。
(拒絶理由の通知)
第50条 審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第17条の2第1項第1号又は第3号に掲げる場合(同項第1号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)において、第53条第1項の規定による却下の決定をするときは、この限りでない。

審判において拒絶理由を発見したときは、159条2項が準用する50条により拒絶理由を通知するとされています。
ただし、第50条の本文はもともと 「審査官は…拒絶の理由を通知し…」 という条文です。
なので、「審判官」が拒絶理由を通知しますので、「特許庁長官から」の箇所が×となります。
まとめ
- 枝イ ○
- 枝ロ ×
- 枝ハ ×
- 枝ニ ×
- 枝ホ ×
- 答え 誤っているのは4つ→答え 4

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