
次、弁理士試験 短答 過去問 令和7年度【特許/実案】14です
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弁理士試験 短答 過去問 令和7年度【特許/実案】14
【特許・実用新案】14
特許無効審判、実用新案登録無効審判及び延長登録無効審判に関し、次のうち、正しいものは、いくつあるか。
(イ) 2以上の請求項に係る特許について、請求項ごとに特許無効審判の請求がされた場合、審決は常に当該請求項ごとに確定する。
(ロ) 特許法第36条第6項第4号に規定する要件(いわゆる特許請求の範囲の記載に関する委任省令要件)に違反した場合は、特許請求の範囲の記載形式に違反があるので拒絶の理由とされているが、特許権の内容である発明に実体的瑕疵がないため、特許の無効理由からは除かれている。
(ハ) 特許がされた後において、特許権者が特許法第25条(外国人の権利の享有)の規定により特許権を享有することができない者になったとき、又はその特許が条約に違反することとなったときは、特許の無効理由となり、その特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、審決が確定した時点から存在しなかったものとみなされる。
(ニ) 延長登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、その延長登録による特許権の存続期間の延長は、初めからされなかったものとみなされ、延長された期間の一部が延長されなかったものとみなされることはない。
(ホ) 特許無効審判及び延長登録無効審判を請求できる者は利害関係人に限られるが、実用新案登録無効審判は何人も請求することができ、請求人適格が限定される場合はない。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
枝イ
(イ) 2以上の請求項に係る特許について、請求項ごとに特許無効審判の請求がされた場合、審決は常に当該請求項ごとに確定する。

「常に」が怪しすぎるよね!?

めちゃくちゃひっかかりますよね!
「常に」と来れば、×なんじゃないかと思うくらい(笑)
条文で確認しましょう!
(審決の確定範囲)
第167条の2 審決は、審判事件ごとに確定する。ただし、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に定めるところにより確定する。
一 請求項ごとに特許無効審判の請求がされた場合であつて、一群の請求項ごとに第134条の2第1項の訂正の請求がされた場合 当該一群の請求項ごと
二 一群の請求項ごとに訂正審判の請求がされた場合 当該一群の請求項ごと
三 請求項ごとに審判の請求がされた場合であつて、第1号に掲げる場合以外の場合 当該請求項ごと

「常に」と来れば、何か例外を探してみましょう!

たしかに!

原則は、請求項ごとに審判請求=請求項ごとに審決確定ですが(第167条の2第3号)
請求項ごとに特許無効審判の請求がされた場合であつて、一群の請求項ごとに第134条の2第1項の訂正の請求がされた場合 当該一群の請求項ごととなります!(第167条の2第1号)

なるほど
じゃあ、答え×だね!

はい。
「常に」の部分が×となります
枝ロ
(ロ) 特許法第36条第6項第4号に規定する要件(いわゆる特許請求の範囲の記載に関する委任省令要件)に違反した場合は、特許請求の範囲の記載形式に違反があるので拒絶の理由とされているが、特許権の内容である発明に実体的瑕疵がないため、特許の無効理由からは除かれている。

形式面での違反は、拒絶理由のみで、たしか無効理由から外されていたよね!

はい、実体的瑕疵がないものは、拒絶理由だけど無効理由からは外されていましたよね。
条文で確認してみましょう!
(特許無効審判)
第123条 特許が次の各号のいずれかに該当するときは、その特許を無効にすることについて特許無効審判を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係るものについては、請求項ごとに請求することができる。
一 その特許が第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願(外国語書面出願を除く。)に対してされたとき。
二 その特許が第25条、第29条、第29条の2、第32条、第38条又は第39条第1項から第4項までの規定に違反してされたとき(その特許が第38条の規定に違反してされた場合にあつては、第74条第1項の規定による請求に基づき、その特許に係る特許権の移転の登録があつたときを除く。)。
三 その特許が条約に違反してされたとき。
四 その特許が第36条第4項第1号又は第6項(第4号を除く。)に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたとき。
五 外国語書面出願に係る特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が外国語書面に記載した事項の範囲内にないとき。
六 その特許がその発明について特許を受ける権利を有しない者の特許出願に対してされたとき(第74条第1項の規定による請求に基づき、その特許に係る特許権の移転の登録があつたときを除く。)。
七 特許がされた後において、その特許権者が第25条の規定により特許権を享有することができない者になつたとき、又はその特許が条約に違反することとなつたとき。
八 その特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正が第126条第1項ただし書若しくは第5項から第7項まで(第120条の5第9項又は第134条の2第9項において準用する場合を含む。)、第120条の5第2項ただし書又は第134条の2第1項ただし書の規定に違反してされたとき。

特許法第36条第6項第4号に規定する要件(いわゆる特許請求の範囲の記載に関する委任省令要件)に違反した場合は、拒絶理由↓ですが無効理由↑ではありませんよね(49条4号、123条1項7号)
(拒絶の査定)
第49条 審査官は、特許出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その特許出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
一 その特許出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面についてした補正が第17条の2第3項又は第4項に規定する要件を満たしていないとき。
二 その特許出願に係る発明が第25条、第29条、第29条の2、第32条、第38条又は第39条第1項から第4項までの規定により特許をすることができないものであるとき。
三 その特許出願に係る発明が条約の規定により特許をすることができないものであるとき。
四 その特許出願が第36条第4項第1号若しくは第6項又は第37条に規定する要件を満たしていないとき。
五 前条の規定による通知をした場合であつて、その特許出願が明細書についての補正又は意見書の提出によつてもなお第36条第4項第2号に規定する要件を満たすこととならないとき。
六 その特許出願が外国語書面出願である場合において、当該特許出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が外国語書面に記載した事項の範囲内にないとき。
七 その特許出願人がその発明について特許を受ける権利を有していないとき。

ほんとだ!

ということですので、正しいので答え○となります。
枝ハ
(ハ) 特許がされた後において、特許権者が特許法第25条(外国人の権利の享有)の規定により特許権を享有することができない者になったとき、又はその特許が条約に違反することとなったときは、特許の無効理由となり、その特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、審決が確定した時点から存在しなかったものとみなされる。

後発的無効理由のことだよね?
後発的の時は、「その時~」じゃなかったっけ?

はい、その通りです。
後半部分が×です。
条文で確認してみましょう!
(特許無効審判)
第123条 ・・・省略・・・
七 特許がされた後において、その特許権者が第25条の規定により特許権を享有することができない者になつたとき、又はその特許が条約に違反することとなつたとき。
第125条 特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、特許権は、初めから存在しなかつたものとみなす。ただし、特許が第123条第1項第7号に該当する場合において、その特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、特許権は、その特許が同号に該当するに至つた時から存在しなかつたものとみなす。

第123条第1項第7号に該当するときは、同号に該当するに至つた時から存在しなかつたものとみなす(125条)となっています。

やっぱりそうなんだね!

後半の「審決が確定した時点から」が×で、正しくは、「同号に該当するに至つた時から」(125条)となります。
なので、答え×
枝ニ
(ニ) 延長登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、その延長登録による特許権の存続期間の延長は、初めからされなかったものとみなされ、延長された期間の一部が延長されなかったものとみなされることはない。

うーん、一部だけ無効になる場合もあったよね?

はい。
一部だけ無効になるパターンもあります。
条文で確認してみましょう!
(延長登録無効審判)
第125条の2 ・・・省略・・・
二 その延長登録により延長された期間がその特許権の存続期間に係る延長可能期間を超えているとき。
4 第67条の3第3項の延長登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、その延長登録による特許権の存続期間の延長は、初めからされなかつたものとみなす。ただし、延長登録が第1項第2号に該当する場合において、その特許権の存続期間に係る延長可能期間を超える期間の延長登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、当該超える期間について、その延長がされなかつたものとみなす。
第125条の3 ・・・省略・・・
三 その延長登録により延長された期間がその特許発明の実施をすることができなかつた期間を超えているとき。
3 第67条の7第3項の延長登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、その延長登録による特許権の存続期間の延長は、初めからされなかつたものとみなす。ただし、延長登録が第1項第3号に該当する場合において、その特許発明の実施をすることができなかつた期間を超える期間の延長登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、当該超える期間について、その延長がされなかつたものとみなす。

延長登録無効審判は2つあって、第125条の2の 期間補償型の延長登録の無効審判、第125条の3の安全性確保等の処分に係る延長登録の無効審判があったよね。
それぞれ、無効審決が確定すると、延長は初めからされなかったものとみなされるのですが・・・
延長登録が延長可能期間(又は実施不能期間)を超えている場合には、 当該超える期間についてのみ延長がされなかったものとみなす、となっているのです。(第125条の2第4項但し書き、第125条の2第3項但し書き)

分かりにくい・・・

分かりやすくいうと、例えば「3年までしかダメなのに、5年は長すぎるよね」と判断された場合、
全部×だと、5年×=全部取消となり酷なので、
当該超えている期間のみ=2年のみ×(3年分は残る)ということです!

なるほど!

ということで、答え×
後半部分が×なので。
枝ホ
(ホ) 特許無効審判及び延長登録無効審判を請求できる者は利害関係人に限られるが、実用新案登録無効審判は何人も請求することができ、請求人適格が限定される場合はない。

特許の方は利害関係人だけだけど、実案の方は何人もじゃなかったっけ?

そうなんです・・・
ですが、実は、後半部分が×なのです。
条文を見てみましょう。
まずは特許の方の無効審判。
(特許無効審判)
第123条
2 特許無効審判は、利害関係人(前項第2号(特許が第38条の規定に違反してされたときに限る。)又は同項第6号に該当することを理由として特許無効審判を請求する場合にあつては、特許を受ける権利を有する者)に限り請求することができる。
(延長登録無効審判)
第125条の2
2 前項の延長登録無効審判は、利害関係人に限り請求することができる。
第125条の3
2 前条第2項及び第3項の規定は、前項の規定による延長登録無効審判の請求について準用する。

特許無効審判+延長登録無効審判は、利害関係人に限られているよね!(123条2項、125条の2第2項、125条の3第2項)

ほんとだね

でも、実用新案登録無効審判はというと・・・
条文を確認してみましょう
(実用新案登録無効審判)
第37条 実用新案登録が次の各号のいずれかに該当するときは、その実用新案登録を無効にすることについて実用新案登録無効審判を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係るものについては、請求項ごとに請求することができる。
一 その実用新案登録が第2条の2第2項に規定する要件を満たしていない補正をした実用新案登録出願に対してされたとき。
二 その実用新案登録が第2条の5第3項において準用する特許法第25条、第3条、第3条の2、第4条、第7条第1項から第3項まで若しくは第6項又は第11条第1項において準用する同法第38条の規定に違反してされたとき(その実用新案登録が同項において準用する同法第38条の規定に違反してされた場合にあつては、第17条の2第1項の規定による請求に基づき、その実用新案登録に係る実用新案権の移転の登録があつたときを除く。)。
三 その実用新案登録が条約に違反してされたとき。
四 その実用新案登録が第5条第4項又は第6項(第4号を除く。)に規定する要件を満たしていない実用新案登録出願に対してされたとき。
五 その実用新案登録がその考案について実用新案登録を受ける権利を有しない者の実用新案登録出願に対してされたとき(第17条の2第1項の規定による請求に基づき、その実用新案登録に係る実用新案権の移転の登録があつたときを除く。)。
六 実用新案登録がされた後において、その実用新案権者が第2条の5第3項において準用する特許法第25条の規定により実用新案権を享有することができない者になつたとき、又はその実用新案登録が条約に違反することとなつたとき。
七 その実用新案登録の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正が第14条の2第2項から第4項までの規定に違反してされたとき。
2 実用新案登録無効審判は、何人も請求することができる。ただし、実用新案登録が前項第2号に該当すること(その実用新案登録が第11条第1項において準用する特許法第38条の規定に違反してされたときに限る。)又は前項第5号に該当することを理由とするものは、当該実用新案登録に係る考案について実用新案登録を受ける権利を有する者に限り請求することができる。

実案の無効審判は、原則「何人」もOKなんだけど・・・
共同出願違反と冒認出願を理由とするものは、実用新案登録を受ける権利を有する者に限りOKとなっているんですね!(実案37条2項但し書き)

なるほど!

なので、答え×となります。
後半部分の「請求人適格が限定される場合はない」が×です。
まとめ
- イ ×
- ロ ○
- ハ ×
- ニ ×
- ホ ×
- 答え・・・1=1つ

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